BtoB企業の新事業展開のポイント

1.    新規事業展開の必要性

他の市場で自社の強みを生かして商品を展開できそうな他の要望な市場が見えてきた、だたし新規市場展開にあたり商品開発に加えて営業ルートなど販売面での新たな対応が必要だ‥
顧客(企業)をおさえているうちに手応えのあるニーズが見つかった!ただし現状の自社の強みでは対応できないため新規技術開発が必要になる、この開発ができれば他の企業にも展開できるのだが‥
ビジネスとして魅力があり、自社の発展・成長にはもってこいだが、ヒト、モノ、カネの投資が必要でリスクが高い‥皆さんのほとんどがこういったビジネスチャンスを経験されているのではないかと思います。経営が厳しく何か手を打たねばならないといった状況ではチャレンジしたくても経営資源が投入できません。日頃からアンテナをはり、長期的な視点で戦略的に検討していくことが必要です。

2.    跳ばなければいけない

私は松下電工株式会社(現在パナソニックに統合)に勤めていましたが、当時の三好会長(1988年~1994年)のコメントが岩波新書「ビジネスインサイト(石井順蔵著)に掲載されていましたので紹介させていただきます。

自分たちが活動する分野のあるドメインの中で、改良商品を作っていく。
それを松下電工では「強み伝い」と言っています。自分が持っている技術、
販売網、人材を利用して、一歩ずつ尺取り虫的に伸ばしていく。
これは自然の方向です。ほとんどの会社がこうした「強み伝い」に動こうとしています。
このやり方は、管理者がいれば十分で、経営者不在でもやっていけます。
松下電工も、そういう一面を持っています。これだと、会社が潰れるのを食い止める
力はあるかもしれないが、伸びはしない。
「強み伝い」をやっていくうちに、大体、斜陽産業になってしまうのです。
いつかは世の中が変わって、そのうちにだんだん自分の置かれている場所は小さくなってくる。
自分は「強み伝い」に動いたつもりなのだが、社会の動きに合わせたつもりなのだが、
社会の動きの方が企業の動きよりももともと早いということだと思います。
だからやはり跳ばないといけないのです。
   【 『ビジネス・インサイト』―創造の知とは何か 石井 淳蔵 著  (岩波新書) 】

「強み伝いの従来事業はいつか枯れるからこそ、常に新規事業を狙い続けなければいけない。」
現在の日本企業が置かれた状況と方向性を見事に示しているのではないかと思います。

3.    新事業展開のポイント

新規事業展開の場合には環境分析から市場展開にわたるマーケティング展開のステップをおさえる必要があります。



新規市場展開の場合には、新たな市場を確実におさえるための環境分析とSTP、そして具体的なアクションプランのMM(マーケティングミックス)がポイントになります。
技術開発のな場合には、ニーズに対するシーズすなわち開発課題をおさえるためのビジョン設定と具体的なアクションプランMM(マーケティングミックス)、特に商品仕様や価格をにらんだ技術開発プランの設定がポイントになります。経営資源を投入するかどうかの経営判断を伴いますので、中長期をにらんだマーケティング戦略、事業戦略をおさえる必要があります。ぞれぞれのステップごとに判断し、方向性修正、場合によっては中断といった判断をしっかり行っていくことになります。

4.    事例


新規事業展開の事例として、「仁丹」で有名な森下仁丹を紹介したいと思います。
森下仁丹は創業118年の伝統と歴史ある大阪の会社です。ロングセラー商品は「仁丹」で、直径2mmにまるめた薬を食用ノリのついた銀箔で包むことで長期保存を可能にしました。社名にもなるほど有名な商品で売上を大きく支えていたのですが、キャンディや口中清涼剤におされ、1990年代には売上がピークの10%にまで落ちていました。
 元商社マンの新社長はこのままでは会社はつぶれる…ということで就任するとすぐに社内のシーズを徹底的に調べました。「シームレスカプセル技術」に目をつけました。液状の薬品などを表面にゼリー状の保護膜をつける技術で開発は成功していたのですが具体的な用途が見つからず20年間埋もれていた技術でした。
 ものになるはずだと確信した社長は社員に用途展開を検討させました。その結果、生まれたのが「ビフィーナ」です。腸に吸収させたいビフィズス菌ですが、腸にたどり着く前に胃で吸収されてしまいます。胃では溶けずに腸で溶ける材質の膜でビフィズス菌をつつむことに成功し、効果をアピールすることで大ヒットしました。
 これをはずみに「シームレスカプセル技術」をさまざまな用途に展開、自社商品だけでなく受託生産を行うまでに成長しています。この技術が会社の危機を見事に救ったのですね。
 埋もれていたシーズを掘り起こし、新たな市場展開に成功した見事な事例だと思います。

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